月星座という言葉。
なかなか耳にすることはないですよね。
占星術に馴染みのある方でないと、初めて聞くワードかと思います。
月星座とは、生まれた瞬間に、月がどこの星座(サイン)に位置していたのかを表しています。
たとえば、月星座がおうし座ということは、生まれた瞬間に、「月がおうし座の位置にあった」ということ。
では、月星座がどこにあるかを見ることで、どのようなあなたの性質を読み取ることができるのでしょうか?
この記事では
- 月星座とはそもそもなんなのか
- 月星座を見るとなにがわかるのか
- 月が象徴するもの
について説明していきます。
この記事を読むことで
- 正確な出生時間が必要な理由
- 月が私たちに及ぼす影響
- 月がもつキーワード
を理解することができます。それではいってみましょう♪
月星座の調べ方
月星座とは、あなたが生まれた瞬間に月が位置していた場所(サイン、星座)のことをいいます。
ホロスコープでいうと、この記号があるサイン(星座)のことですね。赤い丸の部分の部分を見てください。
下図の場合は、月がみずがめ座に位置しているので、この人の月星座はみずがめ座ということになります。
自分の月星座は、もうお分かりでしょうか?
まだの方は以下の記事から、出生ホロスコープを無料で作成し、自分の月星座を調べてみてください!
月の移動はとっても速い
ここから少し、理科っぽい話が続きます。
そんな理屈いいからサクッと、正確な出生時間が必要な理由を知りたい!という方はこちらをクリック。
該当箇所にジャンプします。
1ヶ月で地球の周りを一周する月
西洋占星術では、一般的に、太陽・月・水星・金星・火星・木星・土星・天王星・海王星・冥王星の10天体を扱います。
(先出のホロスコープではそのほかに、「カイロン」と「正真交点(ドラゴンヘッド)」も表示されていますが、ここでは無視して説明を続けます。)
月は、約29.5日、およそ1ヶ月で地球の周りを一周する、地球の「衛星」です。
西洋占星術における、基本10天体のうち、月以外の天体は、太陽の周りを周っているのですが、月だけは地球の周りを回っています。
では、ここで問題です。
月は1日あたりどれくらい移動するでしょうか?
1ヶ月を、約30日と仮定します。
月は、約30日(1ヶ月)で、地球の周りを一周360°ぐるりと回るので、
360° ÷ 30日 ≒ 12°/日
答えは、12°。
月は、「1日あたり約12°移動する」ということがわかりました。
1サインへの滞在期間
では、月がひとつの星座(サイン)を移動するには、どれぐらいの日数がかかるでしょうか?
そのためにはまず、ひとつの星座(サイン)の範囲が、何度あるのか知る必要があります。
星座(サイン)は全部で12個あるので、360°を12で割ると、ひとつの星座(サイン)の範囲は30°ということがわかります。
360°÷12サイン=30°/サイン
月は、1日で12°移動するので、
1つのサイン30°÷月の速度12°=2.5日
答えは、2.5日です。
月は、たったの2.5日でひとつの星座(サイン)から移動してしまうということがわかりました。
こう言われても、正直、
…ふーん??
という感じですよね。
でも、実はこれ、他の天体と比べて、すっごく速い移動速度なのです。
金星は約1ヶ月、木星は約1年、土星は約2.5年、冥王星に至っては約12〜32年でひとつの星座(サイン)を移動します。
月 | 金星 | 木星 | 土星 | 冥王星 | |
1サイン通過にかかる期間 | 2.5日 | 1ヶ月 | 1年 | 2.5年 | 12~32年 |
こう見ると、月の移動速度がものすごく速いことがわかりますよね。
正確な出生時間が必要な理由
ホロスコープを出すときには、移動速度の速い月の「正しい位置」を捉えるために、「正確な出生時間」が必要になります。
たとえば、出生時間が朝方の2:00だったのに、12:00と仮定してホロスコープを算出すると誤差が10時間も生じてしまいます。
この10時間で、月はどれだけ移動しているのでしょうか?
正解は、5°。
たったの5°と思わないでください。
星座(サイン)が切り替わる位置に月がある場合だと、けっこう大きな問題になってきます。
月は、10時間で5°移動することになるので、出生時間2:00を12:00だと仮定すると、
【2022年1月6日2:00】に、みずがめ座25°42′にあった月は、【2022年1月6日12:00】には、うお座1°35′に変わってしまうのです(下図参照)。
(上図の内側の円は2022年1月6日の2:00、外側の円は同日の12:00の天体の位置を表しています。)
図を見ると、
出生時間を2:00とした場合 【みずがめ座25°42′】
出生時間を12:00とした場合 【うお座1°35′】
のように、正確でない出生時間を使うことによって、月の位置に誤差が生じていることがわかります。
月の位置する星座(サイン)が、みずがめ座からうお座に変わってしまいました。
このように、正確な出生時間がわからないと、月の位置が曖昧になってしまうのです(この他にもアセンダントがわからないなどの問題も生じます)。
移動の速い月の確かな位置を捉えるには、正確な出生時間が必要です。
でも、月ってそんなに大事な天体なの?
太陽が重要な天体だということは前回のお話でわかったけど、月もけっこう大事なの?
そうなんです。
実は、月も太陽と同じくらい、とっても大切な天体なのです。
太陽があなたの表面的な部分を表すとしたら、月はあなたの裏面、内面的な部分を表します。
月星座は、あなたの深い深い部分を理解するのにとっても役立ちます。
あなたが意識しにくい、本当の自分が見えてくるのが、月星座。
では、月星座をみると、具体的にどのようなことがわかるのでしょうか?
月星座をみるとなにがわかるのか
地球から見て、太陽の次に明るいのが、月です。
月の満ち欠けが、地球や動物に大きな影響を与えることは、広く知られています。
月の位置に応じて起こる海の満ち引き、満月の日に増える出産、月の周期とほぼ一致する女性の生理周期、などなど。
地球、そして、私たち人間を含む動物に、大きな影響を与えるのが、月です。
生まれる前にも後にも、大きな影響を及ぼしている、月。
生まれた時の月の位置も、私たちが持って生まれてくる性質に、大きな影響を与えることになります。
月は、西洋占星術で扱う天体の中で、最も動きの速い天体です。
2〜3日で、ひとつの星座(サイン)を移動します。
たとえば、2月17日の朝におとめ座の領域に入ったかと思うと、2月19日の昼過ぎにはもう、次の領域であるてんびん座に移動しています。
月の移り変わりの早さは、まるで、その時その時でコロコロ変わる、人の感情を表しているようだ
と、大昔の人は考えました。
このことから、月星座をみるとわかるのは、
- 本能的な欲求、素の自分
- 自分の感情、感受性、心のクセ
- あなたの心の拠り所
などであると定義づけられたのです。
月星座は、言うなれば「家での自分の様子」といったところでしょうか。
他人に気を遣わず、自分ひとりや家族で過ごしている時のありのままの自分が現れるのが、月星座です。
月星座をみると、あなたがあれこれ考えず本能のまま、素直に生きているときに、どのような行動をとるのかがわかります。
太陽星座は、自分で自分の人生をどう運んでいきたいかや自分らしさなど、わりと自分で自覚しやすい部分です。
それは、自分の外側への発信を行うことで、照らし出される部分だから。
〇〇な人生を歩みたい!
→〇〇のような行動を取り続ける
→〇〇になる
という展開になるので、〇〇がきちんと目に見えてわかるかと思います。
たとえば、太陽星座が「社会的成功」を司るやぎ座に位置していると、つぎのように人生が展開されていきます。
「社会的に成功した人生を歩みたい!」
→社会的成功を収めるよう努力を重ねる
→社会的成功を収める
太陽星座やぎ座さんの場合には、努力を重ねた結果、目の前に「社会的成功」が映し出されます。
「社会的成功」が目に見えて分かりますよね。
太陽星座は自分で自覚がしやすい、表面化された自分の性質を表しているのです。
一方、月は、自分の本性・本能的など、自分ではなかなか自覚しにくい部分を表しています。
先ほど、月星座は家での自分の様子を表していると表現しました。
幼い頃を思い出してください。
小さい頃は、自分の家で行われていることはすべて、「どの家庭でも当たり前」のことだと思っていませんでしたか?
たとえば、
- リモコンのことをピコピコと呼ぶ
- 納豆には砂糖を入れる
- ご飯を食べるときは必ず味噌汁から
などなど。
誰かに話すまで、それが
うちだけだった!
と気づかない、独自の家ルール。
そんなものが、必ず一つは存在していたかと思います。
月星座も、これと同じです。
自分の内側の部分を、わざわざ外に向けて発信したり、誰かと比較したりしなければ、自分の心のクセ(独自のルール)に気づくことはありません。
(自分の家のルール=他人の家も同じルールがあるはず、という思い込み)
人は、自分が持っている、
- 本能的な欲求、素の自分
- 自分の感情、感受性、心のクセ
- 心の拠り所
について、
他の人も同じものを持っているはず
と、無意識に考えてしまいがちなのです。
よって、月星座は、太陽星座に比べて、自覚しにくい部分だと言えます。
意識に表面化されているのが太陽で、内に眠っているのが月です。
自分ではなかなか捉えにくいのですが、月星座の解説を見ると
たしかにたしかに!
言われてみるとそうだわ…!
これって私のクセなんだ!!
と納得できてしまうはず。
月星座から「自分の無意識の部分」を理解できると、心が安定してきます。
自分が困ったとき、辛いときに、なにを拠り所にしたら良いか、手に取るようにわかるようになるからです。
たとえば、月星座がおうし座の方は、辛いことがあったときには、美味しいご飯を食べ、音楽や美術を堪能すると、元気を取り戻します。
月星座がみずがめ座の方なら、外で友達会って会話を楽しむと、パワーチャージできるでしょう。
このように、心の拠り所、心のクセなどが、月星座をみるとわかるようになるのです。
例えるなら、人生の荒波を越えるときの救命胴衣を手に入れたようなもの。
たとえ、強い波にあおられ、海に落ちてしまっても、もう大丈夫です。
これがあればとりあえず溺れることはない!
ということが分かれば、これからは安心して、人生の荒波に向かっていけるはずです。
月星座をみるのが楽しみになってきますよね!
月が意味するものごと
月が象徴するものは、「素の自分」「心のクセ」「あなたの心の拠り所」だけではありません。
ほかにも、さまざまなキーワードが割り当てられています。
以下に、月が象徴するものをまとめておきます。
月を見ることで、これらキーワードに関するものごとを読み取ることができます。
守護星座 | かに座 |
キーワード | 母性愛、感情的、生産性、神秘性、情緒性、保護、慈愛、模倣性、人気、豊かな感受性、不安、過敏、迷信、気まぐれ、えこひいき、独占欲、嫉妬心、利己的、強欲、浪費、感化、世話 |
数 | 2 |
曜日 | 月曜日 |
色 | 銀 |
宝石 | 真珠、ムーンストーン |
花・植物 | 月見草、夜に咲く花 |
人物 | 母親、妻、一般大衆、保護者 |
場所 | 公共性のある場所、レストラン、港 |
物 | 家庭用品、育児用品 |
月星座を見れば、自分が奥さんになった時の姿や自分の母親像、また男性にとっては、理想の奥さん像なども見えてくるのです。
それでは、
- 正確な出生時間が必要な理由
- 月が私たちに及ぼす影響
- 月星座がもつキーワード
を十分に理解したところで、さっそく気になるページへどうぞ♪
あなたの根っこ部分を深掘りしていきましょう^^
天体がサインとサインの境目(カスプ)あたりに位置する場合には、2つのサインの影響を受けます。
たとえば、下図のように太陽がおうし座2°に位置していると、ひとつ前のおひつじ座とおうし座の両方の性質がミックスされることになります。
この人が太陽について見る場合には、おひつじ座とおうし座の2つのサインに目を通すと、自分のことがより詳しくわかるようになります。
これは太陽だけでなく、天体が月・水星・金星・火星・木星・土星・天王星・海王星・冥王星の場合にも同じことが言えます。
天体の位置が25〜30°の方はひとつ次のサイン、0〜5°の方はひとつ前のサインにも目を通してみてください。