前回の記事で、個人天体・社会天体・時代天体の違いについて、ざっくりと説明してきました。
今回は、より具体的な各天体の特徴についてみていきます。
また、社会天体と関わりの深い、「風の時代」についてもここで軽く説明しますね。
今後の木星・土星・天王星・海王星・冥王星星座を見るときに必要となる知識ではないので、風の時代がなんなのか、きちんと覚える必要はありません。
単なるコラム・豆知識的な感じでお楽しみいただければと思います。
この記事では、
- 社会天体を見るとわかる具体的な特徴
- 時代天体を見るとわかる具体的な特徴
- 風の時代とはなにか
について説明していきます。
この記事を読むことで、
- 社会天体が自分のどの部分に作用しているのか
- 時代天体が自分のどの部分に作用しているのか
- いまの時代が「風の時代」と呼ばれる理由
を理解できます。
それでは、始めていきましょう♪
↓前回の記事はこちら!
天体から世代・時代を見る
社会天体は世代を色づける
社会天体を見れば、世代間で共通する考え方や価値観がわかります。
前回の記事で説明したように、絵の具の基本セットの構成は、世代ごとに大きく異なります。
これは、移動速度の遅い木星・土星が、数年にまたがり、ひとつのサインに属するためです。
1サインの滞在時間 | |
木星 | 1年 |
土星 | 2.5年 |
同じサインの特徴を、その数年の間に生まれた人たちで共有するため、世代間に違いが現れるのです。
これが、世代の色となります。
世代間で共通した色を持ち、現代社会を特定の色で色づけしていきます。
このように、木星・土星は、世代・社会を色付けする天体なので、社会天体と呼ばれています。
また、天体は、世代・社会だけでなく、時代も色づけます。
時代を色付けするものを、時代天体と呼びます。
時代天体は時代を色づける
社会天体は、文字通り、社会全体に影響を及ぼす天体だと説明しました。
特定の色を持った「社会」がかたまって集まると、それは「時代」になります。
天王星以降の惑星(天王星・海王星・冥王星)は、社会よりも大きな範囲に影響を与えるため、時代天体と呼ばれています。
影響を及ぼす範囲が、世代の枠を超え、時代に及ぶためです。
いちばん移動速度の遅い冥王星だと、約20年間に渡り同じサインに滞在します。
この20年間に生まれた人は、同じ特徴(サイン)を持つようになります。
20年間に生まれた人たちが、同じビジョンのもと、社会の流れを作っていきます。
できた社会の流れを「時代」と呼びます。
おなじ天王星・海王星・冥王星の特徴を持つ人たちが、おなじビジョンのもと、社会の流れ(時代)を形成していくのです。
天王星・海王星・冥王星が、時代を作っていくといえます。
そのため、天王星・海王星・冥王星は、社会天体ではなく、時代天体と呼ばれています。
そして、今は「風の時代」?
時代天体が関係しているのかな?
風の時代って最近よく聞くけど、一体どういう意味なの?
「風の時代」というのですが、関係しているのは、実は、時代天体ではなく、社会天体(木星・土星)の方なのです。
これから、風の時代とはなんなのかをざっくり説明していきますね!
興味のない方は、「社会天体・時代天体を見るとわかること」の部分まで飛んじゃってください。
風の時代ってなに?
現代は「風の時代」と呼ばれています。
風の時代という単語を聞いたことはあるけれど、なんのことだかよくわかっていないかも
という人も多いかと思います。
「土の時代から、風の時代に切り替わった」
「今は軽やかさが大事な、風の時代らしい」
という知識はあっても、「風の時代とはなにか」をきちんと説明できる人は少ないのではないでしょうか。
この流れからいくと、社会天体・時代天体が、風の時代に関係してくるってことかな?
そういうことです!
風の時代とは、一言で説明するならば、「社会天体である木星と土星が風エレメントで重なる」ことを現しています。
社会天体である木星と土星が、風エレメントで重なること
「風の時代」というくらいなので、時代天体に関連していれば、キレイにまとまったのですが…。
たしかに!
風の時代だけど、関連するのは、時代天体ではなく社会天体なんだね!
…というか、まず風エレメントってなに??
初めて出てきた言葉ですよね!
次項で、「エレメント」と「風の時代」について説明しますね!
風の時代とは?
エレメントについて
風の時代とはなんなのか?
風の時代とは、「社会天体である木星と土星が、風エレメントで重なる」ことを意味します。
社会天体である木星と土星が、風エレメントで重なること
社会天体についてはわかりますよね!
では、風エレメントとは何なのでしょう。
そもそも、「エレメント」とは?
占星術には、エレメント(元素)という考え方があります。
古代ギリシャ時代から、エレメントは、「この世を構成する最小要素」だと考えられてきました。
エレメントの組み合わせで、世界のあらゆるものは成り立っている!
と人々は考え、なんと、19世紀頃までこの考えを軸に生きてきました。
近代科学に該当する「原子論」に基づいて世界を見るようになったのは、実は20世紀に入ってからなのです。
四元素
四元素(しげんそ、ギリシア語: Τέσσερα στοιχεία)とは、この世界の物質は、火・空気(もしくは風)・水・土の4つの元素から構成されるとする概念である。
四元素は、日本語では四大元素、四大、四元、四原質ともよばれる。
古代ギリシア・ローマ、イスラーム世界、および18~19世紀頃までのヨーロッパで支持された。古代インドにも同様の考え方が見られる。
四元素 – Wikipedia
エレメントには、火・土・風・水の4つ(=四元素)があります。
たとえば
お金は「土」!
情報は「風」!
というように、あらゆるモノ・事を、エレメントの組み合わせで考えていました。
火・土・風・水の各エレメントには、つぎのような特徴があります。
エレメント | 特徴 |
火 | 情熱、野心、冒険 |
土 | 安定、受動、感覚 |
風 | 社交性、情報、軽さ |
水 | 共感、交わり、変容 |
先ほど、お金は「土」、情報は「風」と言いました。
なぜお金は土で、情報は風なの?
そう分類された理由は、上記のエレメントの性質にあります。
古代の人々は
お金は安定をもたらすから、「土」。
情報は社交の場で飛び交うから、「風」。
というように、物事の性質を見て、その性質が当てはまるエレメントに分類していったのです。
先ほど、「この世のあらゆるものはエレメントから成り立つ」と考えられていると説明しましたが、このあらゆるものの中に、サイン(星座)も含まれます。
おひつじ座・おうし座などの星座(サイン)には、対応するエレメントがあります。
エレメントごとにサインを分類すると、つぎのようになります。
エレメント | 星座(サイン) |
火 | おひつじ座・しし座・いて座 |
土 | おうし座・おとめ座・やぎ座 |
風 | ふたご座・てんびん座・みずがめ座 |
水 | かに座・さそり座・うお座 |
おひつじ座・しし座・いて座はどれも、火のエレメントに属していますね。
つまり、おひつじ座・しし座・いて座の3サインは、似たような性質(火の性質=情熱的、野心的、冒険的な性質)を持つということです。
エレメント | 星座(サイン) | 特徴 |
火 | おひつじ座・しし座・いて座 | 情熱、野心、冒険 |
土 | おうし座・おとめ座・やぎ座 | 安定、受動、感覚 |
風 | ふたご座・てんびん座・みずがめ座 | 社交性、情報、軽さ |
水 | かに座・さそり座・うお座 | 共感、交わり、変容 |
エレメントとは、色付けを行う際の基本要素となるものです。
色の三原色である、赤・青・緑のようなものです。
この世に存在する色はすべて、赤・青・緑で表現できます。
色を数値化したRGBは、色の三原色である、R:Red(赤)、G:Green(緑)、B:Blue(青)の頭文字からできています。
R・G・Bの各要素を強めたり、弱めたりすることで、ありとあらゆる色を表現することができます。
西洋占星術におけるエレメントも、RGBとおなじです。
火・土・風・水の要素を強めたり、弱めたりすることで、「あなたの色」を表現できるのです。
木星と土星が風エレメントで重なる=風の時代
エレメントがなにかわかったところで、いよいよ風の時代についてです。
風の時代とは、一体なんなのか?
風の時代とは、「社会天体である木星と土星が、風エレメントで重なること」だと説明しました。
社会天体である木星と土星が、風エレメントで重なること
木星と土星が重なることを「グレートコンジャンクション」と言います。
コンジャンクションは天文用語。英語でconjunctionと書きます。
conjunction
接続詞、結合、連結、接続、合同、連絡、(2 惑星などの)合、(月の)朔(さく)(など)
コンジャンクションとは、太陽の周りを回る2つの惑星がぴったり一直線上(0度)に重なることを指します。
例えば、月に1度訪れる新月は、月と太陽とコンジャンクション(重なり)ですね。
移動速度の速い、月と太陽のコンジャンクションは1年に12回起こりますが、社会天体である木星と土星のコンジャンクションが起こるのは、なんと、20年に1度です。
この重なりが珍しいということから、グレート・コンジャンクションと呼ばれています。
また、頻度の少なさだけでなく、西洋占星術では、
木星と土星は、人や社会に大きな影響を及ぼす天体である
という意味で、グレートと付けられているという説もあるそうです。
社会天体である木星と土星が重なるグレートコンジャンクションが起こると、時代の色が切り替わると言われています。
これまでも、木星と土星のグレートコンジャンクションは、何度も起こってきましたが、すべて土のエレメント上で行われていました。
グレートコンジャンクションは、約20年に一度発生していますが、発生する場所は、約200年間、同じエレメント上です。
たとえば、1800年〜2000年までは、すべて土のエレメント上で、グレートコンジャンクションが発生していたのです。
エレメント | 星座(サイン) |
火 | おひつじ座・しし座・いて座 |
土 | おうし座・おとめ座・やぎ座 |
風 | ふたご座・てんびん座・みずがめ座 |
水 | かに座・さそり座・うお座 |
2020年12月22日に、約200年ぶりに土エレメント以外の場所で、グレートコンジャンクションが起こりました。
2020年12月22日にグレートコンジャンクションが起こったのは、風のエレメント上でした。
これから先の約200年間は、すべて風エレメント上で、木星と土星が重なることになります。
エレメント | 星座(サイン) |
火 | おひつじ座・しし座・いて座 |
土 | おうし座・おとめ座・やぎ座 |
風 | ふたご座・てんびん座・みずがめ座 |
水 | かに座・さそり座・うお座 |
グレートコンジャンクション(木星と土星の重なり)がすべて風エレメント上で起こる、これから先の200年間を、「風の時代」と呼んでいます。
ちなみに、エレメントが切り替わるグレート・コンジャンクションのことを、ミューテーションといいます。
これが、風の時代への移行が起こった、2020年12月22日のホロスコープです。
エレメント | 星座(サイン) |
火 | おひつじ座・しし座・いて座 |
土 | おうし座・おとめ座・やぎ座 |
風 | ふたご座・てんびん座・みずがめ座 |
水 | かに座・さそり座・うお座 |
風エレメントである、みずがめ座でグレートコンジャンクションが起こっているのがわかります。
これから先起こるグレートコンジャンクションが、すべて風エレメントで起こる時代へ突入したことから、いまの時代は「風の時代」と呼ばれているのです。
土の時代から風の時代への移行は”なめらか”に
風の時代になることで、これまでの社会がガラリと変わると言われています。
それでも、2020年12月22日を境に、パキッと切り替わるのではなく、徐々に変わっていくことでしょう。
グラデーション状に変わっていくので、占星術に馴染みがない人だと、
もう風の時代に入ってたんだ!
と、今ここで初めて気づいた方もいるかも知れません。
パキッと切り替わっていたら、
そうそう!
2020年12月22日を境に、すべてが変わったよね!!
となっていることでしょう。
しかし、時代の切り替わりは徐々に行われるので、時代の移り変わりが本当に見られるのは、まだまだこれからです。
ひとつの時代は、約200年間あります。
土の時代は、1800年頃〜2020年まででした。
そのひとつ前の、火の時代は1600年〜1800年です。
ひとつひとつの時代は、このような感じで、滑らかに遷移していきます。
なので、風の時代らしさがまだ感じられなくても、しょうがありません。
まだまだこれからです。
楽しみですよね!
そして、風の時代に入ってから生まれた人たちは、社会天体に「風の時代らしい色」を持って生まれてきます。
これから彼らが作り上げていく社会が、真の「風の時代」とも呼べるでしょう。
以上が、風の時代についてでした。
今後のために覚えなければならないわけではありませんが、社会天体が出てきたタイミングだったので、合わせて説明させていただきました!
では、社会天体星座・時代天体星座に話を戻しましょう。
社会天体・時代天体を見るとわかること
世の中に大きな影響を及ぼす、社会天体・時代天体を見ることで、自分が属する世代・時代に共通する
- 考え方
- 価値観
- 運命
などを見ることができます。
各天体が持つ要素は、つぎのとおりです。
天体 | わかること |
木星 | 成功、幸運、社会への受け止められ方 |
土星 | 人生の課題、制限、努力 |
天王星 | 人生に起こる突発的な出来事、ハプニング、変化 |
海王星 | 精神性、インスピレーション、潜在意識 |
冥王星 | 生と死、カルマ、危機的状況での底力 |
太陽・月・水星・金星・火星の個人天体ページを読んだ方はぜひ、社会天体・時代天体のページへ飛び、世代・時代という大きな枠組みから見た「自分」を探っていきましょう。
順路としては、個人寄りなものから、大規模なものへと見ていく方が、わかりやすいかと思います。
つまり、木星→土星→天王星→海王星→冥王星の流れですね。
特別見たい天体があれば、その天体から先に見ても問題ありません。
ですが、こだわりがなければ、おすすめのルートは木星→土星→天王星→海王星→冥王星の順番です。
では、さっそくこれから、自分が属する「世代・時代で共通して持つ色」を探る旅を始めましょう♪
↓つぎに見たい天体星座をクリック!
天体 | わかること |
木星 | 成功のビジョン、幸せを掴むための姿勢、幸運 |
土星 | 人生の課題、制限、努力 |
天王星 | 人生に起こる突発的な出来事、ハプニング、変化 |
海王星 | 精神性、インスピレーション、潜在意識 |
冥王星 | 生と死、カルマ、危機的状況での底力 |
まだ太陽・月・水星・金星・火星のページを読んでいない方は、こちらから各天体ページを読み進めることをお勧めします♪
天体 | わかること |
太陽 | 自分自身、自分らしさ、人生を切り開くときの基準 |
月 | 素の自分、感情のクセ、心のよりどころ |
水星 | コミュニケーション方法、人間関係、隠れた才能、適職 |
金星 | 好きなこと、恋愛傾向、彼女になった時のあなたの姿 |
火星 | 情熱、怒り、好きな男性のタイプ |