占星術で扱う基本天体は、ぜんぶで10個あります。
基本の10天体は、太陽・月・水星・金星・火星・木星・土星・天王星・海王星・冥王星。
この10個の天体は、個人天体・社会天体・時代天体の3つに分類されます。
太陽・月・水星・金星・火星の5つは「個人天体」、
木星・土星は「社会天体」、
天王星・海王星・冥王星は「時代天体」に分類されます。
なんで個人天体・社会天体・時代天体に分けられているの?
それぞれどう違うの?
この記事では、
- 個人天体・社会天体・時代天体の違い
- 個人天体とはなにか
- 社会天体とはなにか
- 時代天体とはなにか
について説明していきます。
この記事を読むことで、
- 天体の分類
- なぜ個人天体と呼ぶのか
- なぜ社会天体と呼ぶのか
- なぜ時代天体と呼ぶのか
を理解できます。
それでは始めていきましょう♪
10天体は個人・社会・時代天体に分類される
これから10天体がなぜ、それぞれ個人・社会・時代天体に分類されるのかを説明します。
太陽・月・水星・金星・火星の5つの天体は、「個人天体」と呼ばれる天体です。
なぜ、個人天体と呼ばれているの?
それは、「個人の違い」が大きく現れる部分だからです。
天体 | わかること |
太陽 | 自分自身、自分らしさ、人生を切り開くときの基準 |
月 | 素の自分、感情のクセ、心のよりどころ |
水星 | コミュニケーション方法、人間関係、隠れた才能、適職 |
金星 | 好きなこと、恋愛傾向、彼女になった時のあなたの姿 |
火星 | 情熱、怒り、好きな男性のタイプ |
たとえば、一番移動速度の速い月を見ると、わかりやすいかと思います。
月は、約1ヶ月でホロスコープを一周します。
ひとつのサインへの滞在期間は、たったの2.5日。
生まれた日が、たった2.5日違うだけで、月が属するサイン(星座)が変わります。
たった2.5日の違いで、人の持つ「素部分」の性質がガラリと変わるのです。
4月1日生まれと、4月4日生まれでは、月サインが変わってくるので、「素の自分」、「感情のクセ」、「心のよりどころ」が大きく異なることになります。
同じように、ほかの個人天体の1サインへの滞在時間を見ていきましょう。
1サインの滞在時間 | |
太陽 | 約1ヶ月 |
月 | 約2.5日 |
水星 | 約1週間〜2ヶ月半 |
金星 | 約1ヶ月〜4ヶ月 |
火星 | 約2ヶ月〜6ヶ月 |
個人天体は、ひとつのサインの滞在期間が短く、同じ年に生まれた2人であっても、天体の属するサインが異なることになります。
天体の属するサインが異なるので、その天体が象徴する「個人の性質」が大きく変わってくるのです。
しかし、基本の10天体のうちの残りの5つ、木星・土星・天王星・海王星・冥王星はどうでしょうか。
これら5つの天体が、ひとつのサインに滞在する期間は次のとおりです。
1サインの滞在時間 | |
木星 | 1年 |
土星 | 2.5年 |
天王星 | 7年 |
海王星 | 14年 |
冥王星 | 12〜32年 |
滞在期間が一番短い木星でも、なんと、1年間もひとつのサインに滞在します。
木星以降だと個人天体(太陽・月・水星・金星・火星)と比べて、公転速度が格段に遅くなるので、複数年にまたがってひとつのサインに滞在するようになります。
天体が一つのサインに滞在してる数年の間に生まれた人はみんな、その天体に関しておなじ特徴を持つようになります。
たとえば、木星がおうし座に位置している1年間の間に生まれた人は皆、木星(持って生まれた運、成功の秘訣)におうし座らしい特徴を有することになるのです。
複数年(世代)にわたって広く影響が作用する天体であるので、木星・土星・天王星・海王星・冥王星の5つの天体は、個人天体ではなく、社会天体や時代天体と呼ばれています。
西洋占星術の基本10天体の分類を、以下にまとめます。
ではこれから、
① 個人天体
② 社会天体
③ 時代天体
が、それぞれどんな「自分の色」を表すのか、お話します。
まずは、①個人天体が持つ色からです。
個人天体とは
個人天体である太陽・月・水星・金星・火星に着目すると、つぎのような自分の特徴を把握することができます。
天体 | わかること |
太陽 | 自分自身、自分らしさ、人生を切り開くときの基準、生きがい |
月 | 素の自分、感情、心のよりどころ |
水星 | コミュニケーション方法、人間関係、隠れた才能 |
金星 | 好きなこと、恋愛、女性性 |
火星 | 情熱、怒り、男性性 |
これら5つの個人天体を見ると、自分の生きがいや話し方、素の部分など、自分だけがもつ特徴がわかります。
話し方や素の部分などが、世代間で共通だったら、だいぶ気持ち悪いですよね。笑
同級生みーんな、おなじ話し方・家での過ごし方・怒り方をするなんて、嫌ですよね。笑
太陽・月・水星・金星・火星の部分は、同じ歳であっても、同じ誕生月であっても、ときには、同じ誕生日であっても(出生時間・出生地が異なる場合には)、違いが出る部分です。
だから、「個人天体」なのです。
本サイトにおける太陽・月・水星・金星・火星のパートを読んだ方は、自分個人の持つ色はだいぶ見えてきたのではないでしょうか?
まだ読んでいない方は、こちら↓から各天体のページへどうぞ!
つぎは、世代・時代間で共通して持っている色(特徴)についてです。
世代・時代間で共通する色を見るには、社会天体と時代天体に着目する必要があります。
まずは、社会天体から話を始めましょう。
社会天体とは
社会天体は、世代にまたがって共通して持っている色を表します。
社会天体は、木星と土星の2つです。
木星と土星は、複数年にわたって、ひとつのサインに滞在します。
1サインの滞在時間 | |
木星 | 1年 |
土星 | 2.5年 |
この複数年のあいだに生まれた人はみんな、おなじ木星・土星の特徴を持つようになります。
同級生間では、個人天体はバラバラであっても、社会天体はみんな同じです。
例えるなら、複数人の絵の具セットに、「共通して入っている色」。
自分の特徴を色に置き換えて、考えてみましょう。
生まれたときに、「10色の絵の具」を持って生まれてきたとします。
10色の絵の具が、西洋占星術における基本の10天体だと思ってください。
自分が生まれながらに持つ、10色の絵の具(基本の10天体)のうちの、5色は個人天体、2色は社会天体、3色は時代天体によって色が決められています。
個人天体は、自分特有の色、
社会天体と時代天体は、絵の具の「基本セット」のようなものです。
持っている「基本セット」が同じであれば、絵を描くときには、どこか色合いが似てきます。
暖色系基本セットであれば、赤・黄色・オレンジを多く使った絵が多くなるでしょう。
寒色系基本セットであれば、青・緑・紫を多く使った絵が多くなるでしょう。
おなじ世代に生まれた人たちは、おなじ基本セットを持って生まれてきます。
たとえば、1990年8月18日から1991年9月11日までの間に生まれた人は、木星は「しし座サイン」、土星は「やぎ座サイン」に位置しています。
つまり、1990年8月18日から、1991年9月11日までの間に生まれた人はみんな、同じ木星・土星の特徴を持つことになります。
この期間に生まれた人はみんな、基本セット(社会天体)が同じということです。
生まれた年(年齢)が近ければ、基本セットの構成は近しいものになります。
生まれた年(年齢)が離れていれば、基本セットの構成は大きく異なります。
具体例を見ていきましょう。
まずは、生まれた年の近い二人の例です。
年齢が近ければ、描く絵が似てくる・世代の色が同じである(基本セットが同じ)ということを、具体例を挙げて説明します。
1990年8月と1989年8月に生まれた人(1歳差)では、社会天体の構成はつぎのようになっています。
1989年生まれの人は、木星星座は「かに座」、土星星座は「やぎ座」です。
1990年8月生まれの人は、木星星座は「しし座」、土星星座は「やぎ座」です。
木星星座は異なるものの、土星星座はどちらも「やぎ座」
になっています。
色に例えると、このようになります。
かなり似た色合いになっているのがわかりますね。
これが、年齢が近い二人(1歳差)の例です。
しかし、年齢が離れた二人(5歳差)ではどうでしょうか。
1990年8月と1995年8月に生まれた人(5歳差)では、基本セット(社会天体)の構成が大きく異なります。
1990年8月生まれの人は、木星星座が「しし座」、土星星座が「やぎ座」になっています。
1995年8月生まれの人は、木星星座が「いて座」、土星星座が「うお座」になっています。
木星・土星ともに、異なるサインに属しているのがわかりますね。
色に例えると、こんな感じです。
1990年生まれと1995年生まれの人の、絵の具セットに含まれている、基本セットの色が全く別物になっています。
基本セット(社会天体の構成)が違うので、1990年生まれと1995年生まれの人とでは、描く絵に違いが現れます。
世代、世代で、持っている基本セット(社会天体)の色が違うので、描く絵の色合い(世代の色)が変わってくるのです。
年齢が近いと、描く絵の色合い(世代の特徴)が似てくる、年齢が離れると、描く絵の色合い(世代の特徴)が異なる、という理由をわかっていただけたでしょうか?
年代が離れると、基本セットの構成は、かなり違ってきます。
入っている色がそもそも全く違うので、描く絵も全く違うものになります。
これが、世代間ギャップの原因です。
同じ時代に生きていながら、考え方や価値観が全く違うのは、持って生まれた基本セットが全く違うからです。
年齢が離れると、考え方や価値観の違いから、話が全く噛み合わないというのは、人生におけるよくある悩みですよね。
占星術では、世代間で生まれるジェネレーションギャップ(世代間ギャップ)は、この社会天体によって生み出されていると考えられています。
社会天体のイメージは、ざっくりと掴んでいただけたでしょうか?
以上が、世代間の違いを表す、社会天体についての説明でした。
つぎは、時代間の違いを表す、時代天体について説明していきます。
時代天体とは
時代天体は、社会天体よりも、幅広い年代に作用します。
時代そのものに働きかける力を持っているのが、時代天体です。
「社会天体が世代間のギャップを生む」と説明しました。
社会天体では、5歳ほど歳の離れた人の特徴を見れば、自分との違いが分かりやすかったかと思います。
しかし、時代天体は、そうはいきません。
時代、時代で共通して持っている特徴なので、スパンが長く、その時代に属していると、時代の色がわかりにくいのです。
具体的な数字を使って説明していきます。
冥王星は、一つのサインに、12〜32年もの間、滞在します。
なんと、1995年11月から2008年11月の間に生まれた人はみんな、おなじ冥王星サインを持っているのです。
つまり、1995年11月から2008年11月の13年間に生まれたひと全員が、おなじ特徴を有しているということです。
これでは、ひとつ年上の人を見たからといって、自分との違いがわかるわけではありません。
時代天体は、ほかとの比較がしにくいので、非常に特徴を掴みにくい天体だと言えます。
社会・時代を構成するのは、「人」です。
時代を構成する「人」が同じ色(同じ時代天体)を持っていたら、共通のイメージのもと、特定の社会・時代を作り上げていくことになります。
赤を持っていたら、赤っぽい時代を。
青を持っていたら、青っぽい時代を。
自然と作り上げようとします。
その時代に生きている人は、比較対象がないので、当然、自分の生きる時代の色を掴みにくいです。
タイムトラベルができたら、違う時代と色を比較して、
たしかに今のわたしたちの時代は、〇〇座っぽいかも〜!
なんてできるのですが、ドラえもんはまだいないし、タイムマシーンもないし、不可能ですよね。
比較できないので、自分たちの持つ「時代の色」を理解しにくいです。
理解しにくい、見えにくいので、時代天体は、自分たちの「潜在意識的な部分」を現しているとも言えます。
このことから、時代天体は、ときには、不可視天体・潜在天体・霊的天体とも呼ばれています。
時代天体についても、これまでの流れを引き継いで「色」と説明しましたが、実は、どちらかといえば、時代天体は、「素材」や「道具」に近いです。
たとえるなら、「キャンバスの質」や「筆の種類」などです。
これらは、使ってみなければ、キャンバスに筆を走らせたときの感覚、筆の持ちやすさ・重さなどの使い心地などはわからないですよね。
パッとみただけでは、単なるキャンバス、筆です。
本人は生まれた時から、それら画材を使っていて、比較したことがないので、それが「当たり前」で「普通」だと思っています。
キャンパスと筆ってこういうものだよね。
違うやつなんてあるの?
それしか使ったことないので、その人にとってはそれが、すべてです。
筆ひとつにしても、時代の流れとともに、日々アップデートされていっていると思いますが、改良以前(前の時代)のもの、改良後(次の時代)のものを、使ってみないと、今自分が持っているもの(自分の生きる時代)と、なにがどう違うのかわかりません。
素材や道具は、体験してみないことには、他のもの(他の時代のもの)との違いがわかりませんよね。
時代天体もこれと同じです。
実際にその時代に身を置いてみないと、理解しにくい部分、自分で意識しにくい部分なのです。
個人天体、社会天体、時代天体の違いについて、わかっていただけたでしょうか?
個人天体だけでなく、社会天体・時代天体もみることで、「自分の持つ色をより詳しく理解することができる」ということがわかっていただけたかと思います。
つぎの記事では、社会天体・時代天体を見ると、具体的になにがわかるのかを説明します。
では、つぎの記事でまたお会いしましょう♪
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