ギリシャ神話の伝令と商売の神・ヘルメス(ローマ神話におけるメルクリウスに相当、英語読みでマーキュリー)は、水星を象徴する神です。
水星の天体としての特徴が、ギリシャ神話のヘルメスと似ていることから、水星=ヘルメス(マーキュリー)という認識になりました。
ギリシャ神話のヘルメスにはどんな特徴があるの?
この記事では、ヘルメスにまつわる神話をお伝えします。
神話を知り、ヘルメスの特徴を掴むことで、西洋占星術における水星の特徴がより理解しやすくなります。
それでは、はじまりはじまり〜♪
伝令と商売の神・ヘルメスとは
水星は、伝令と商売の神・ヘルメスに重ねられました。
ヘルメスは、神々の王・ゼウスの子どものひとりです。
(ゼウスには25人の子どもがいます。母親はバラバラです。)
生まれながらにして悪知恵の働いたヘルメスは、すぐさま、大事件を起こします。
ゆりかごを抜け出し、おなじくゼウスの子どもで、異母兄にあたる太陽神・アポロンの牛を50頭盗んだのです。
犯人を突き止めた兄・アポロンは、異母弟ヘルメスを、父・ゼウスの元へ連れて行きます。
ですが、ヘルメスは
生まれたばかりの自分に、そんなことができるはずがないよ〜。
嘘じゃないよ!
嘘のつき方もまだ知らない赤ん坊よ?
と、自分の罪を認めず、父に身の潔白を証明しようとします。
非常に頭の切れるヘルメスに感心した、父・ゼウスでしたが、
さすがにダメだわw
お兄ちゃんに牛を返しなさい。
と、ヘルメスに命じます。
父に、仲直りを命じられたヘルメスは、しぶしぶ、兄・アポロンに謝罪することにしました。
頭の切れるヘルメスは、和解をスムーズに進めるため、自身の手で竪琴(たてごと)を作って、アポロンに送ることに。
ヘルメスは、謝罪の手土産を持って、兄・アポロンの元へと向かいます。
ヘルメスの作った竪琴の音色が、すっかり気に入ったアポロンは、
イカした竪琴くれたから、牛の一件は許してあげるよ
と、あっさり仲直りを許してくれました。
ヘルメスの作戦は、見事に成功しました。
さらに、アポロンは仲直りのしるしに、死者を蘇生させる力を持つ、魔法の杖までもヘルメスに授けます。
これが、現在ヘルメスが持っている杖、ケーリュケイオンです。
いまでは、ヘルメスといえばこの魔法の杖という認識になっていますが、これは兄・アポロンから譲り受けたものだったのです。
生まれてまもなくゆりかごを抜け出す素早さ、次から次へと言い訳をまくしたてる聡明さ、相手を手球にとる利口さが、父・ゼウスに認められた、ヘルメス。
全知全能で、神々の王である父・ゼウスから、「神々の伝令者」の役を預かります。
伝令者となったヘルメスは、羽のついた靴を履き、2匹の蛇が絡みついた魔法の杖を持ち、神々のあいだを飛んで、みんなに伝言して回ります。
どの神ともスムーズにやり取りし、スイスイと、神々のあいだを行き来します。
コミュニケーション能力の高いヘルメスは、伝令の神として、おおいに活躍しました。
さらに、どんな相手とも、言葉巧みに駆け引き・交渉をするその姿から、伝令の神としてだけでなく、商売の神としても崇められています。
ヘルメスの持つ魔法の杖・ケーリュケイオンは、現代では「商業、交渉、旅行の象徴」となっています。
さいごに
以上が、ギリシャ神話における「伝令と商売の神・ヘルメス」にまつわる神話です。
すばやい、口達者、コミュニケーション力、才能豊か、などといったヘルメスの特徴が見えてきたかと思います。
こういったヘルメスの特徴が、水星の天体としての特徴に重ねられ、古代から
水星を司るのは、ヘルメス(メルクリウス、マーキュリー)である
とされてきました。
そのため西洋占星術では、水星を見ることで、あなたのコミュニケーションの取り方、人間関係構築の仕方、隠れた才能などがわかるとされています。
ヘルメスの特徴は掴めましたか?
生まれた瞬間から言葉巧みに父親を丸め込もうとするなんて、すごい才能ですよねw
コミュニケーション能力の塊ですね!
ヘルメスの特徴をざっくりと掴んでおくと、西洋占星術における「水星」の特徴が理解しやすくなりますよ♪