太陽の一番近くに位置する、太陽系で最も小さな惑星「水星」。
あなたはこれまで夜空を見上げて、水星を見つけられたことはありますか?
水星?
言われてみればないかも。
多くの方が、肉眼で水星を見た経験がないかと思います。
じつは水星は、夜空をパッと見上げて簡単に見つけられる惑星ではありません。
水星は動きがすばやく、限られた時間にしか見ることができません。
太陽系惑星の一つで、名前はよく聞く水星ですが、そもそもどんな惑星なのか、知らない方も多いと思います。
この記事では、水星の天体としての特徴を説明していきます。
この記事を読むことで、水星がどんな特徴を持っているのかを理解することができます。
それではいってみましょう♪
水星の特徴
見た目
水星と聞くと、思わず「水色の天体」を想像しますよね。
ですが実は、水星は、月のようなクレーターがたくさんある、黒ずんだ小さな天体です。
水星の表面は、「黒鉛」で覆われています。
黒鉛は、鉛筆の芯に使われている素材。
鉛筆の芯と同じ素材で覆われているため、水星は黒ずんだ色をしているのです。
大きさ・重さ
水星は、太陽を中心として回っている、わりと小さな天体です。
直径は、地球の0.38倍。
月の直径は地球の0.25倍なので、水星は月よりすこし大きいくらいしかありません。
地球の1/4しかない月と、あまり変わらない大きさだなんて、結構小さめな天体ですね!
太陽を中心として回る比較大きな天体のことを、惑星といいます。
現在、私たちがいる太陽系には、地球を含む8つの惑星があります。
水星は、地球よりはるかに小さく、月より少し大きいくらいしかない天体です。
それでも水星は、太陽系の惑星として定義されています。
(月は地球の衛星にあたるので、惑星ではありません。)
太陽系惑星は、水星・金星・地球・火星・木星・土星・天王星・海王星の8つ。
以前は、占星術で扱う冥王星も惑星に含まれていましたが、現在は太陽系惑星から除外されています。2006年から冥王星は準惑星の扱いになりました。
ちなみに冥王星の直径は地球の約1/5。地球の衛星である月よりも小さいです(月の直径は地球の約1/4)。
公転周期
太陽系惑星のひとつである水星が、太陽の周りを一周するまでにかかる期間(公転周期)は、約88日。
約3ヶ月で、太陽の周りを一周することになります。
地球の公転周期は1年なので、それと比べるとだいぶ短いですね!
公転速度が速いため、連日夜空を見上げていると、水星だけが、一足お先に、星の間をスイスイと移動していく様子を見てとることができます。
自転周期
水星は、59日かけて自転(地軸を中心に水星が一回転)します。
こちらはNASAの科学者が作成した、10天体の自転の様子をアニメーション化したものです。
他の惑星と比べると、水星の自転がかなり遅いということがわかるかと思います。
水星の自転周期(59日)と、公転周期(88日)から計算すると、水星において、太陽が登り、沈むまでにかかる時間は、なんと、176日!
水星が太陽の周りを2周して(水星上で2年経過して)、ようやく、1日が終わるという、わけのわからないことになっています。笑
温度
水星の表面温度は、マイナス180℃から430℃までと、非常に幅広く変化します。
水星には、地球のような大気や水がなく、太陽から受けた熱を閉じ込めておくことができないので、このような表面温度になるのです。
また、前述のように、水星の1日は176日です。
つまり、昼が88日間、夜が88日間連続して続くことになります。
言い換えると、水星では、88日間太陽が照り続け、88日間暗闇の中で過ごすということに。
そのため、昼間の温度はどんどん上昇し、逆に夜はぐんぐん冷えていくことになります。
水星には①大気や水がないこと、②1日がとてつもなく長いことが原因で、水星の表面温度は激しく変化するのです。
まとめ
水星は
- 太陽系惑星
- 黒ずんでいる
- 小さい
- 太陽を一周するまでに88日かかる
- 水星の1日は176日に相当する
- 表面温度が幅広く変化する
ということがわかりました。
水星の目立った特徴は、公転速度が速いということ!
たった88日で、太陽の周りを一周してしまうくらい速いのです。
水星は、他の惑星に比べて速い速度で、夜空をスイスイと移動していきます。
夜空を素早く移動する姿が、ギリシャ神話のヘルメスに似ているということから、水星=ヘルメス(メルクリウス、マーキュリー)と定義づけられたのです。
以上が、水星の天体としての特徴の紹介でした!
太陽系惑星の中で最も動きのすばやい惑星であるということを、ぜひ覚えておいてください♪