天体

【金星の特徴】明星・金星が明るく見える理由とは?

地球の最も近くに位置する惑星、「金星」

日没後に、西の空にひときわ輝く、一番星の金星は、「宵の明星(よいのみょうじょう)」。

日の出直後に、東の空に現れる金星は、「明けの明星(あけのみょうじょう)」と呼ばれ、人々に親しまれています。

金星は、恒星である太陽、地球の衛星であるに続いて、地球から見て、3番目に明るい天体です。

身近なようで、その特徴をほとんど知らない金星

この記事では、金星の天体としての特徴を説明していきます。

金星の特徴

見た目

金星は、地球から見ると黄色に輝いて見えます。

金星を覆う、厚い硫酸の雲が太陽光をよく反射することで、黄色に光り輝いて見えるのです。

引用:金星 – Wikipedia 金星の雲

大きさ・重さ

金星は、太陽を中心として回っている、地球とおなじくらいの大きさの天体です。

直径は、地球の0.95倍。重さは、地球の0.82倍です。

Lisa

大きさ・重さともに、地球とあまり変わりません。

そのため金星は、「地球と双子の惑星」とも呼ばれています。

引用:Basics of Space Flight – Solar System Exploration: NASA Science (左から水星、金星、地球、火星)

太陽を中心として回る比較大きな天体のことを、惑星といいます。

現在、私たちがいる太陽系には、地球を含む8つの惑星水星・金星・地球・火星・木星・土星・天王星・海王星)があります。

地球と双子と言われる金星も、太陽系惑星のうちのひとつです。

公転周期

金星が、太陽の周りを一周するまでにかかる期間(公転周期)は、約225日

約7.5月で、太陽の周りを一周することになります。

Lisa

地球の公転周期は1年なので、それと比べるとすこーし短いですね!

金星は、惑星なので、自ら光を発することはできません。

太陽の光を反射して輝きます

自転周期

金星の自転速度は243日です。

243日に一回、太陽が昇って沈むということになります。

金星は、太陽系惑星の中で、一番自転周期が長い惑星です。

こちらはNASAの科学者が作成した、10天体の自転の様子をアニメーション化したものです。

The eight planets and two dwarf (for now) planets – YouTube

公転周期が225日なので、太陽の周りを一周しても、金星ではまだ1日が終わっていないということになります。

自転方向が地球と反対

金星は、太陽系惑星の中で、唯一、自転方向が異なります。

金星では、太陽が西から昇って、に沈みます。

自転方向が異なる理由は未だ明らかになっておらず、現在も研究が続けられています。

明るさ

自ら光を放つことはない金星ですが、宵の明星・明けの明星と呼ばれるほど、地球から見ると非常に明るい天体として、人の目に映ります。

自ら光を発する太陽、その太陽の光を受けて輝く地球の衛星である、に次いで、3番目に明るい天体です。

天体の明るさは、「等級」という単位を使って表します。

以下に、天体の等級をまとめます。

天体見かけの等級(最大の明るさ)
太陽-26.7
-12.7
水星-2.4
金星-4.7
火星-3.0
木星-2.9
土星-0.4
天王星+5.5
海王星+7.9
冥王星+13.7

等級の数値が小さくなるほど明るい天体大きくなるほど暗い天体となります。

上の表からわかるように、他の惑星と比較しても非常に明るく、夜空にひときわ煌めく金星。

金星の明るさは、-4.7

太陽の-26.7、月の-12.7に次ぐ明るさです。

太陽、月と並んで、大きな存在感をみせています。

太陽・月・金星の3天体は、その明るさから、はるか昔のシュメール時代(紀元前2350~2150年)から、人々に崇拝されていました。

なぜ、金星はこんなにも明るく輝いて見えるの?

それには、ふたつ理由があります。

  1. 地球から距離が近い
  2. 金星を覆う雲が、光をよく反射する

①地球から距離が近い

金星は、地球からの距離が1番近く、「最も近い隣人惑星」と呼ばれています。

さらに、地球よりも太陽の近くを回っているため、太陽の光をより強く受けています。

地球の近くに位置していて、なおかつ太陽の光を強く受けている惑星なので、地球から見ると、非常に明るく光って見えるのです。

 金星を覆う雲が、光をよく反射する

金星は、分厚い硫酸の雲に覆われた惑星です。

この雲が、太陽の光をよく反射します。

金星が太陽の光を反射する率は、78%。

金星を覆う分厚い雲が、太陽の光を効率よく反射するため、金星自体が明るく輝いて見えるのです。

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おわりに

金星は

  • 太陽系惑星
  • 地球と同じくらいの大きさ・重さ
  • 太陽を一周するまでに、225日かかる
  • 金星の1日は243日
  • 自転方向が地球と逆
  • 非常に明るい天体

ということがわかりました。

金星の特徴は、なんといってもその輝き、美しさです。

「明星(みょうじょう)」と呼ばれるくらい、夜空にキラキラと光り輝いています。

Lisa

優雅さ、気品さを感じさせる惑星ですよね!

古代の人々は、惑星としての金星の美しさを、ギリシャ神話の美の女神・アフロディテ(ウェヌス、ヴィーナス)に重ねました。

その結果、金星とアフロディテ(ヴィーナス)が紐づけられたのです。

【金星の名前の由来】なぜヴィーナスと呼ばれる?金星の意味 古来より、金星を司るのは、ギリシャ神話に出てくる愛と美の女神・アフロディテ(ローマ神話のウェヌス、英語読みヴィーナス)だと言われてきま...
Lisa

以上が、金星の天体としての特徴でした。

金星の天体としての特徴、ギリシャ神話のアフロディテの特徴を、軽く頭に入れた上で、あなたの「金星」を見ていくと、自分の理解がより一層深まります♪